純金の仏壇で税金対策

貴金属店で飛ぶように売れる純金仏具
そんな同社ビルの一角に、一見ミスマッチとも思えるショーケースがある。売られているのは、
黄金色に輝く仏像や、蝋燭立て、線香差しなどの仏具の数々。むろん、メッキ品や真鍮製ではない。
すべて金で作られている。価格は、高さ10cmほどの純金の仏像が528万円、手のひらに納まるくらいの18金の仏鈴が345万6000円(いずれも参考価格)。
数千万円単位の仏像や、上限金額がない特注品なども製造してくれる。

「全種類の仏像を買うケースや、仏壇に飾る仏具一式を純金製で揃えるお客様もいる」と田中貴金属の担当者は話す。
金の延べ棒を売ったその足で、仏具売り場へと向かう資産家も少なくない。
同社の「仏像・仏鈴(おりん)・仏具」の昨年の売上げは、2005年比で約170%となった。

しかし、仏具の割高感は否めない。仏鈴や仏像には工芸品としての価値が付加されるからだ。
そのため、市場価格は同じ重さの地金の1.5倍~数倍に値段が跳ね上がる。
それでもあえて購入する顧客は、敬虔な仏教徒か、よほどの好事家なのか。

担当者に客の購買目的を聞くと、「当社のほうからお客様に個別の事情をお聞きすることはない」としたうえで、
「『節税対策なんで…』と本音を漏らすお客様もいる」と明かした。

節税対策で、金の仏具が有効とは一体、どういうことだろう。

相続税問題に詳しい税理士は、「仏具には相続税がかからない。たとえどんなに立派で、
価値があるものであっても、非課税」と説明する。

相続財産の中には、性質、国民感情、社会政策的な面から、相続税をかけるのは不適当なものがあります。
これらを相続税の非課税財産といい、主に以下のようなものがあります。
①お墓・仏壇
お墓や仏壇などには、相続税がかかりません。これらの財産は祖先を敬うためのものであり、
お金には替えることができないものと考えられているからです。
たとえ、どんなに価値があるものであっても、相続税がかかることはありません。
ただし、商品や骨董品または投資の対象として持っていた場合には、相続税がかかります。
これは、お金に替えることが出来るものであると考えられるからです。
②国などに寄附した財産
国・地方公共団体・特定の公益法人に、寄附した財産は相続税がかかりません。
これらの団体に寄附するということは、公益性を考えて、相続税をかけることが、
ふさわしくないと考えられているからです。
③生命保険金・死亡退職金の一部、一定額までの弔慰金
財産まるまるに相続税がかかるわけではありません